最果てのTシャツ

今、日本の最北端の宗谷岬に来ている。急に今いるところから最も遠いところに行ってみたくなったのだ。稚内駅から路線バスに乗り1時間。

「日本最北端の地の碑」の隣に立ちオホーツク海を望む。行ける限界の地にまで来たという達成感と、さらにこの向こうにある異国の地を想う。6月だが最北端の地の風はまだ冷たい。季節はずれの流氷が沖合いに迫っているという。

すぐそばにある土産物屋からは「宗谷岬」の歌が流れている。その土産物屋には「宗谷岬饅頭」「宗谷岬に行ってきました!」等どこの観光地でもみかける土産物に混じって壁に「宗谷岬Tシャツ」が飾られていた。胸には「日本最北端」の文字と「日本最北端の地の碑」の絵。

いつもならこんな安っぽい子供だましの土産物など見向きもしないところなのだが、しかし今日だけはなぜかこのTシャツに惹かれるものがあった。日本の最北端の土産物屋で売られているTシャツ。つまり日本の最果てのTシャツなのだ。そう考えた途端、胸の奥から熱いものがこみ上げてきた。

「日本最はてなTシャツ欲しい!

色はもちろんワインレッドだ。

# これはもちろんフィクションです:-)